認知症と歯周病の関係

今年の秋はラグビーワールドカップやフィギュアスケート、卓球や世界野球などなど、日本代表選手らの活躍が素晴らしかったですね^^ 台風や豪雨で被災された皆さまの励みになっているようですし、選手らも被災された方々への勇気づけができたらいいなというモチベーションがあって、双方のシナジーが今年のスポーツ界を盛り上げたのかなぁと思うと、自分でも何かできることがないだろうか、と感銘を受けた秋でした^^

さて歯科の話をします。前々から示唆されていたことでありますが、タイトルにあるように「歯周病」「アルツハイマー型認知症」に大きな影響を与えている可能性が高いという発表がありました。

九州大学の研究成果のページ (別ページで開きます)

要約しますと、歯周病の病原菌毒素の働きによって、アルツハイマー型認知症の病態である脳内アミロイドβという物質が、慢性歯周病患者の歯茎や、歯周病菌を感染させたラットの肝臓で産生されたのを確認した。という発表になります。

アルツハイマー型認知症の患者さんの脳内から、本来口にいるはずの歯周病菌そのものや歯周病菌の毒素成分が発見された。という発表が以前にもありましたので、歯周病とアルツハイマー型認知症は関係があると示唆されていました。今回の発表のは、脳内アミロイドβ脳の組織で産生されるのではなく歯周病患者の慢性炎症が起こっている歯茎や、肝臓などで産生され、血液循環によって脳内に運ばれている、という可能性が高くなってきた。ということだと思います。

もっとセンセーショナルに言えば、歯周病を放置するとアルツハイマー型認知症が引き起こされる!!(かも知れない)

歯周病とアルツハイマー型認知症の関係は前々から示唆されていましたから、患者さんには「歯周病もね、あまり放っておくと糖尿病とか認知症とか、そういう病気になっちゃうんですよ。」などと説明しながら指導するのですが、口と脳、かけ離れた場所の話のためか、ご理解いただけているか手ごたえがあまりない状況が続いておりましたので、「歯周病とアルツハイマー型認知症の関係」を自信を持ってみなさまに指導するきっかけになる発表でした!