2019/08/05
7月末から連日のうだるような酷暑ですね、、、みなさまも体調崩されないようにお気を付けください!また、地域によっては手足口病が流行しているようです。普通子供が罹患するんですが、大人が罹患するとかなり辛いですから、夏だからといって油断せず、手洗いうがい、そして休養をしっかりとってくださいね!!
さて、今回のタイトルは「第25回口腔保健シンポジウム」のテーマをそのまま載せております。シンポジウムは7/6に東京大手町にて開催され、7/27付の読売新聞で2面にわたって特集ページが組まれておりましたので、ご家庭にありましたら是非ご覧いただければと思います!
新聞をとっていない方も多いでしょうし、さまざまなサイトでも引用されているようですので、今回は新聞に掲載された記事を紹介しながら「オーラルフレイルの予防」について述べようと思います。
まず新聞の見開きに「お口の長寿と衰え 日常生活にサイン」と大きな文字で2面にわたって書かれています。一番センセーショナルに伝えたい事であろうと思いますが、いきなり批判的で恐縮ですが、「お口の衰え」は分かりますが、「お口の長寿」って表現はどうなんでしょうか(笑)??マスメディアの影響力ってすごいですから、正しく表現して欲しいのものですが、まぁなんとなく言いたいことが伝わればOKでしょうか。
話をもどします。シンポジウムのパネリストには、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授、東京都健康長寿医療センター研究所の平野浩彦先生、高齢者の孤立・孤食問題を支援する「シニア食堂」の生みの親の松沢知砂さん、口から健康作りを啓発する「歯っぴーかむカム」代表の吉良直子先生が参加されました。
それぞれの先生方のお話のなかでも、やはり飯島勝矢教授の「高齢者の活動を、スポーツなどの身体活動・音楽や囲碁将棋などの文化活動・ボランティアなどの地域活動にわけると、この3つの活動をバランスよく実践していることが大事」との知見には、あらためて納得させられました。飯島教授によると、3つの活動を実践している人に比べ、3つとも実践していない人は、フレイルになるリスクが16倍高いことがわかったとのこと。身体に良いからという事でスポーツだけはしている(身体活動のみを実践)人でも、3つとも実践している人に比べてフレイルになるリスクは高いそうで、3つの活動をバランスよく実践することがとても重要であるとのことでした。
平野先生は、滑舌の悪化や食べこぼしなどのささいは事でも見逃さずに、かかりつけの歯科を定期的に受診することの大切さを述べておられました。定期的な頻度は個人個人によって異なるので、それを含めてかかりつけ医にしっかりと見てもらうよう心がけましょうとのことでした。
松沢さんは、高齢者の孤食や孤立の面から、人の輪に入って社会性を失わないようにする大切さを述べておられました。一人暮らしの高齢者は、「配偶者を亡くして寂しい」「話を聞いてほしい」という訴えがとても多いという経験談はとてもリアルでした。シニア食堂で仲間ができると利用者さんが口にする、以前より食が進む、居心地が良い、というポジティブな変化は、人とのつながりが大切ということを物語っています。
吉良先生は、熊本地震で被災された方々を避難所でみて、水が充分に使えない環境で満足に口腔ケアができない高齢被災者が、次第に食べ物が飲み込みにくくなるのを目の当たりにして、唾液が出にくくなっていることが問題であると気付き、舌の機能がとても大事であると述べられていました。現在も、舌の機能と健康の関連を研究しており、舌の機能を落とさないような活動を続けていくとのことです。
さて、ここまで参加されたパネリストの先生方のお話を取り上げさせてもらいました。
口の機能(とくに舌の機能)が低下することが、身体のフレイルに直結するにしても、その環境によって大きくリスクが異なると言えそうです。つまり、人との関わりがなく孤立・孤食になることや、かかりつけ歯科医に定期的に見てもらっているかどうか、またスポーツなどの身体活動のほか、文化活動や地域活動を行っているか?という環境によって、それぞれの指導方法も異なるということが言えそうです。長くなりましたが、この一文に集約されている通り、個人個人で背景の異なるリスクを見極めて、今後も皆さまの健康の手助けができるように精進致します!!
最後までお付き合いいただきありがとうございました^^