唾液のチカラ その2

この度の「北海道胆振東部地震」で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。北海道ではこれから一気に寒くなりますから、一日も早い復旧・復興をお祈りしております。

さて、気が付けば随分と日暮れが早くなり、サンマ、新米、ブドウなどなど(食べ物ばかりですが…)一気に秋めいていきましたね(^0^) すこし落ち着いて観察すると、ソメイヨシノの葉っぱがハラハラと舞い落ち、少しずつイチョウの葉も色づいています。待ち遠しかった秋が着実に深まってきているようです。

今回は以前にも投稿した「唾液のチカラ」で語り足りていない唾液の働きについて、岡崎好秀先生の著書「カミカミおもしろ だ液学」から引用しながら述べていきたいと思います。

「唾液のチカラ」→ https://www.taki-dc.com/blog/251(別ページで開きます)

まず、唾液の作用のおさらいですが、唾液には「消化を助ける」「を感じる」「発音しやすくする」「飲み込みしやすくする」「ばい菌をやっつける」「むし歯歯周病を防ぐ」「口臭を防ぐ」さらには「を早く治す」という素晴らしいチカラを持っています。さらに解毒作用もあり、発がん性物質を唾液に30秒間漬けておくと、発がん性がほぼ無効になるくらい解毒してくれます。傷を早く治すのは「リゾチーム」という酵素の働きですが、風邪をひいてお医者さんを受診すると「塩化リゾチーム」という唾液にも含まれている成分をお薬にしたものが処方されることがあります。さらに唾液は天然の「胃腸薬」でもあります。よく噛んで食べることでネバネバした成分「ムチン」を含む唾液が多く分泌され、食道や胃腸の粘膜を保護してくれるのです。

このようにとても多くの作用をもつ唾液ですが、以前のブログにもあげましたが、近年の子供らは食生活の変化に伴い唾液の量が減少している傾向がみられます。食生活の変化が原因ということを裏付けるデータは多くあります。水分の多い軟らかいエサで育ったネズミと、水分の少ない硬いエサで育ったネズミの唾液腺の成長を比較すると、硬いエサを食べて育った方が唾液腺が大きく成長したという結果になりました。

成長期の子供さんには、なるべく唾液良く出るような、水分の少ない硬い食材を使ったお食事の方が理想と言えます。ハンバーグやシチュー、カレーよりは、ゴボウやニンジンなど野菜多く使う和食、もしくは大きめにカットした野菜を使った食事を心がけましょう。食パンは軟らかくて唾液を多く出す食材には向いていませんが、トーストすることで水分が減り、唾液が多くでないと飲み込めないので、軟らかい食材でも工夫を凝らせばOKです。ただし!飲み込みにくいからと言って水やお茶で流し込むのは逆効果です!水やお茶はなるべく遠ざけて食事させる方が良いと思われます。

といっても成長期のお子さん向けの話ですので、歯を失ってしまった方などは無理せず食事してくださいね(^_^;)

最後までお付き合いありがとうございました^^