医療のテクノロジー進化 その3

西日本を襲った豪雨から10日以上経ちますが、いまだ被害の全貌把握すら難しいようですね。当院のすぐそばでも道路の冠水や床上・床下浸水被害がありました。特に倉敷真備地域がひどい状況ですが、ほとんど報道されていないだけで岡山市の東区や北区でもかなり深刻な被害を被った方々が多くいらっしゃいます。

一日も早い復旧・復興を祈るばかりです。

当院でも何かできないかと思い、歯ブラシ、洗口剤(うがい薬)、義歯洗浄剤や義歯ケース、義歯安定剤、マスク、グローブなどなど、大きめの段ボールで2箱程度の支援物資を被災地にお届けさせていただきました。少しでもお役に立てれれば幸いです。

 

さて、前回の続きです。

口腔内スキャナーでお口の中の写真をとるだけで歯型取りが行える。と前回の投稿でお話ししました。そして、歯型をとったら銀歯やセラミック歯、義歯などを製作するのですが、これらは技工所での作業がメインになりますが、ここにテクノロジーの進化が加わると、、、

技工士さんはスキャナーでデータ化されたデジタル模型を用いて、パソコン上で歯のデザインを設計(CAD)し、ミリングマシンと呼ばれる精密機器がそのデザイン通りに四角いブロックから歯の形を削り出して(CAM)、細かい仕上げは手作業で行う。この一連の作業をCAD/CAMといい、数年前からCAD/CAM冠が保険適応の白い歯として登場しています。

ミリングマシンは技工所に導入されて日々休むことなく歯を削り出していますが、口腔内スキャナーと一緒に病院内に設置することもできるので、口腔内スキャナーで歯型をとったらすぐにデータ化して歯をデザインし、その場で(診療室内)すぐ歯を削り出して治療を1日で完了することもできるのです。やや時間はかかりますが、通常歯型をとってから1週間程度経ってようやく歯を装着していた治療の流れが、大きく短縮することができます。

一部の歯科医院では上記のような、1日で治療を終わらせるワンデートリートメントを行っています。

当院ではなるべく「歯を悪くしない」「歯を削らない」ことに注力しており、また口腔内スキャナーもミリングマシンも導入していないので上記のようなワンデートリートメントは行っておりません。また、定期的に通われている方に関しては、むし歯が見つかっても比較的小さな段階で治療することができますので、CR(コンポジットレジン)と呼ばれる素材で埋めて終了するケースも多くあります。

いくらテクノロジーが進化しようとも、健康を意識せずにないがしろに生活していれば、むし歯にも歯周病にもなってしまいます。確かにテクノロジーが進化することで歯科医療の分野にも恩恵はありますが、やはりご自分の健康は自分で守る、病気を予防するという意識が一番大事というのは今後も変わらないと思います。

3回連続で「テクノロジーの進化」というテーマでお話しさせてもらいました。画像などがあったほうが分かりやすいのですが、医療広告ガイドラインの関係で載せていません。

「口腔内スキャナー」「CAD/CAM」などのキーワードで画像検索すると、すぐにヒットすると思いますのでご興味のある方は検索してみて下さい^^