歯科とアルツハイマー型認知症

蒸し蒸しとした梅雨が続きますね。この湿度で30℃越えはしんどいですが、エアコンを利用して熱中症には十分気を付けてください^^

さて、タイトルに挙げたアルツハイマー型認知症ですが、潜伏期間は約20~25年と言われており、少しずつ少しずつ脳の中に排泄しきれないゴミ(アミロイドβ・タウタンパク質)が溜まっていくことで発症することが分かっています。

そのゴミのひとつアミロイドβは、神経細胞の周囲に蓄積することで炎症を起こして神経細胞を死滅させてしまいます。またもうひとつのタウタンパク質と呼ばれるものは、神経細胞の内側に蓄積することでダイレクトに神経細胞を死滅させてしまいます。気付かないうちから少しずつ蓄積されるこれらのゴミ。NHKスペシャルのシリーズ人体でも話題になりましたが、開発中の新しいお薬でゴミを分解・排泄できる可能性があるそうです。

認知症の詳しい研究は日々行われており、確かにいずれは治せる病になるかもしれませんが、新薬ともなればお薬代はかなり高額、結局は必要な患者さんに提供できない。というのがしばらく続くのではないかと予想されます。

結局は一旦発症すると徐々に進行してしまい、段々と怒りっぽくなったり問題行動を起こすようになったり、ご本人も介助者の方もしんどい思いをするのが現状と思われます。

ネガティブな話しばかりですが、ここからが本題です!

歯科が介入することで認知症の予防、または進行抑制することができる可能性があります!

以前のブログ記事にもあげましたが、「歯がほとんどなく義歯未使用の場合、認知症のリスクが1.9倍」というデータをシェアしました。逆を言えば、「歯を失ってもちゃんと使用できる義歯を作製する」もしくは「歯を失わないように定期管理をしっかりと行う」というのが対策として挙げられます。まだ詳しく論文に目を通していないので定かではありませんが、義歯が使えないという患者さんには、義歯の代わりにインプラント、でもおそらく問題ないと思われます。

また、アルツハイマー型認知症で亡くなった方の脳内には、本来口の中にいるはずの歯周病原菌が検出されることがあるそうです。歯周病は、口の中の炎症を引き起こすだけでなく、離れた臓器にも疾患をもたらす「病巣感染」を引き起こすととらえるべき。と医科の先生方も警鐘をならしています。昔から「虫歯を放っておいたら心臓病で亡くなる」という都市伝説は、世界各国で実例のある病巣感染の死亡例が伝わったものだと思われます。糖尿病とのかかわりは以前にも少し触れましたが、またの機会に詳しくシェアします。心臓や脳にまで悪影響を及ぼす可能性が高いのが歯周病の本態です。

アルツハイマー型認知症のお薬はいずれ開発されるものと思われますが、その前に歯科を定期的に受診して歯を失わないようにこころがけましょう!!認知症予防に有効なサプリメントなども販売されていますが、、今回は割愛します。

口はいのちの入り口、今回は認知症をテーマに歯科とのかかわりについてお話しました。

みなさまの健康の手助けとなりますように。