2024/12/29
令和6年も残りあと数日となりました!毎年そうですが、12月に入ったら一気に年末まで駆け抜けることとなりますよね。気が付いたら年末でした。。。皆さまもお体ご自愛くださいませ (;’∀’)
さて、お口の中には実にたくさんの細菌が生息しています。口腔内細菌は500~1,000種ほどの菌種が存在しているとされていますが、そもそもヒトの内外には常在菌と呼ばれる、人間と共生している微生物がおよそ40兆~100兆もいるとのことです。そのなかでも、お口は身体の入り口であるため、人体を守る門番としての役割を果たしている善玉菌も存在しますし、逆に人体に害をなす悪玉菌も存在しています。悪玉菌はいわずとしれた、虫歯菌(Streptococcus Mutans)や歯周病原菌(Porphyromonas gingivalis)がその代表で、善玉菌としては、Lactobacillus gasseri が知られています。
口腔常在菌の一種である「ベイヨネラ属」は、嫌気環境、酸性環境や高乳酸環境で、硝酸塩を代謝して亜硝酸塩を産生することが分かっています。亜硝酸塩は抗菌効果が比較的高い物質で、特に嫌気環境で虫歯や歯周病などの悪玉菌の増殖や働きを防ぐ効果がある、とのことです。
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さらに近年の研究では、そのベイヨネラ属が、腸内では「乳酸」を代謝して「プロピオン酸」と呼ばれる脂肪酸を産生することが分かりました。プロピオン酸は、スポーツやトレーニングに詳しい方なら耳にしたことがあるかもですが、スポーツのパフォーマンスを向上させる可能性が高い、ということが分かっています。マラソンランナーなどのアスリートの腸内細菌には、プロピオン酸を産生する菌の数が多いことが研究で分かっています。口腔内常在菌が、腸内ではスポーツのパフォーマンスにも影響をしているというのは、なかなか面白いですね^^
腸脳相関、筋腸相関という用語がありますが、腸内環境が人体の構造に成長や変化を与えていることが明らかにされつつあり、口腔は消化管へ食物を届ける入り口で、消化器官のひとつである、という認識で考えると、やはり口はとても大事な器官だということを再認識することができますね。
毎度のことになってしまいますが、たかが歯1本、という風にあなどらず、治療が終わってもしっかりメンテナンスを受けること。これがとっても大事であるということをお伝えさせていただきます。年末・年始もどうぞお元気にお過ごしくださいませ^^