2018/09/19
しばらく振りの晴天で暑いくらいですが、朝晩は随分涼しくなりましたね。ようやっと秋を感じれるようになりました^^
さて、あらためて「歯周病」にスポットを当てて述べたいと思います。
みなさま、衛生士さんによる「歯みがき指導」を受けたことがあるかと思いますが、「たかが指導でしょ。」と侮ってはいけません。この際はっきり言いましょう。
『歯周病は歯科医院に来て治すものではありません!』 『主治医は患者さん自身なんです!』
「えぇー!?」「おいおい、じゃあなんで定期的に歯石取りに通わせるんだよっ!」って文句の一つでも言いたくなると思いますが、定期的に来院される方に施術するのは、「プロフェッショナルクリーニング」といって、要するに皆さまのセルフケアで不十分になっているところを補う役目があります。もちろんそれ以外にも、自己流になってしまいがちなブラッシングの確認、インプラントや義歯などのチェック、フッ素による歯質強化、虫歯の早期発見、粘膜マッサージ、さらにデンタルエステなんて言葉も流行っていますから、一概にクリーニングのみ行っているわけではありません。ですので、歯を削る・歯石除去といった「治療」→ 防ぐ・守るといった「予防」にシフトした方にこそ、定期的な受診が必要になります。決して不要なわけではなく、むしろ健康意識の高い人にとっては必須といっても過言ではありません。もちろん意識の高くない人にも強く推奨されるべきものです。
ただ悲しいかな、所得と支出の関係を見た家計支出において、低収入家庭では「歯科」に支出する費用が抑えられているというデータがあります。ところが「医科」にかかる費用は収入に関係なく支出されています。「低収入家庭では歯科医院の受診は医科よりも節約される傾向である」と言えます。本来虫歯や歯周病で治療が必要な多くの人が、本当に困るまで我慢した結果、来院が遅れて歯を喪失してしまったり、治療が終わって予防にシフトした途端に来院が途絶える、という図式があろうと思われます。
最初に戻りますが、「歯周病の主治医は患者さんご自身」ですので、ちゃんと意識してセルフケアをしている方はしばらく来院が途絶えても問題ないでしょうが、多くの人にとっては定期的な来院をした方が、結果として歯で困らずに過ごせると思われます。実際に定期的な来院をした方を、そうでない方と比較したときに、定期受診をした人の方が医療費(歯科治療費だけでなくお医者さんにかかる費用も含め)を抑えられるというデータがあります。
詳しく知りたい方は、中日新聞のトヨタ関連健康保険組合の2011年調査を検索すると、PDFファイルでご覧になれると思います。
歯周病はお口の中だけにとどまらず、全身のあらゆる病気に関係していますので、歯周病の「治療」と「予防」が65歳以上のQOL(Quality of Life:生活の質)を左右しますので、みなさまも侮らずに定期受診を心がけてください^^