医療のテクノロジー進化 その1

雨が続きますねー、と思ったら晴れたら急に夏本番!みたいな、なんとも過ごしにく天気ですね。

蒸し暑くて外に出たくないという皆さまも、夏を楽しみにしていたぞ~っていう皆さまも、この季節は栄養状態が偏りがちなのでご注意を!!

さて、昨今のテクノロジーの進化には驚きを通り越して理解が及ばないレベルにまで来てますね。。。歯科業界にもテクノロジー進化の波は届いています。あらゆるものがデジタル化され「デジタルデンティストリー」と呼ばれ(日本語にすると「デジタル歯科」でしょうか…?)、歯科業界の専門誌などでも毎月のように最新のテクノロジーを取り上げている状態です。

このテクノロジーの波はしばらく続くものと思われますので、頑なに拒むより乗り遅れないようにした方が良いものと思われます。

当院でも、診療録(カルテ)のデジタル化はすでに完了しており、そのほかにもデジタルレントゲン、歯科用CT、レーザー機器なども取り扱っていますので、あらためて列挙してみると思ったよりもテクノロジー進化の恩恵をうけていました!なんでもかんでもデジタル化すれば良いわけではありませんが、使いようによっては利便性が高く、結果として患者さんに何かプラスとして還元できるのであれば取り入れていった方が良いでしょう。

話は少し変わりますが、現在医療業界で大変大きな話題となっており、厚生労働省も対応に追われている問題をシェアしたいと思います。

「AMR:薬剤耐性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

院内感染やMRSAという言葉は聞いたことがあると思いますが、MRSAは[メチシリンという抗生物質に薬剤耐性をもったブドウ球菌]という意味です。特に高齢の方や抵抗力のない人にMRSAが悪さをすると、抗生物質が効きにくいため肺炎や腸炎、髄膜炎など重篤な症状を引き起こすことがあります。

つまり、AMR(薬剤耐性)対策をしっかりしないと、MRSAに代表される薬が効きにくい病原菌がどんどん増加・蔓延してしまうため、何も策を講じなければ「2050年にはおよそ1,000万人がAMRが原因で命を落とす」と言われています。

厚生労働省も2016年からアクションプランを作成し、この度の保険診療報酬改定では「抗生物質を適正に使用する」ことを推進しています。代表例を挙げると単なる風邪で抗生物質を処方しないなど。ただこれは患者さん側にも理解が必要で、患者さんから「先生、抗生物質も一緒に出してください」と言われれば処方してしまいますので、患者さん側への啓発活動も行われています。

 

遠回りになってしまいましたが、お口の中にも微生物は500~1,000種類ほど生息していると言われております。抜歯をした時には予防的に抗生物質を処方している医院がほとんどだと思われますが、国によっては簡単な抜歯では抗生物質を処方しない医院も多くありますので、今後歯科治療におけるAMR対策が必要と思われます。

テクノロジーの話にもどりますが、ある種のレーザーを使用することで、抗生物質に頼らずに患部の殺菌・消毒を行うことが可能です。滝歯科医院ではすでに同様の効果のあるレーザー機器を導入していますので、場合によっては抗生物質を処方しないこともあります。「AMR対策」は今後の医療の大きなテーマですので、みなさまも関心をもっていただければと思います。

今後もテクノロジーの進化と社会環境の変化にあわせて、必要な器材の導入・検討していきますので、またその際はご報告いたします。

長文、最後まで読んでくださってありがとうございました。